コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

ブラックジャック Karte:00,01


手塚治虫の最高傑作のひとつ、ブラックジャックの初のテレビアニメ化。ということで、けっこうあちこちで話題になっているようだ。しかし私には不安があった。以前、ブラックジャックは一度アニメ化されている。そのときの監督が「あしたのジョー」の監督だったらしく、ブラックジャックがまるで劇画のようになってしまっていたのだ。何度も画面がセピア色になって制止するし、挙句の果てにはブラックジャックは若い娘のオデコにキスまでしてしまう始末。「こんなのブラックジャックじゃないやい!」と叫んだことは言うまでもないだろう。

そういう「前科」があるゆえに、今回のアニメ化も不安だった。さすがに劇画調にはならないだろうが、自分のイメージと合っていないのではなかろうか、とか、手塚漫画のアニメ化となると力を入れすぎてスベってしまうのではないか、とか、いろいろな心配が頭をよぎっていた。

というわけで、期待半分、不安半分で見始めた。


オープニング
いきなり間黒男の爆発シーン。あれ? 国内で、しかも母親と一緒? 原作はどうだったっけ。確かどこかの内戦やってる都市で爆発に巻き込まれて、黒人の友人の皮膚を移植したのではなかったっけか。そういえば本来は青黒いはずの継ぎはぎが、アニメ版では肌色だ。いきなり設定変更ですか。青黒継ぎはぎは何か問題でもあったのかな。それとも見栄えのために設定を変えたのかな。どっちにしても違和感はぬぐえない。大丈夫かな・・・。


Karte:00 オペの順番
原作では飛行機だったと思うけど、まあそのへんはいいとして。イリオモテヤマネコのことはちょっと説教臭く感じたが、他は割りと好感触。ブラックジャックらしい。大塚明夫もイイ。最初はちょっとバトーなイメージだったけど、ちゃんとブラックジャックしてる。ピノコもまあ問題ないけど、ピノコしゃべりは言葉にすると非常に聞き取りにくいということがよくわかった。高音と独特の口調のため、何を言っているのかわからない場面もいくつかあった。ま、それも味かもね。
全体的にもう少し殺伐さと冷たさが漂っててもいいような気もした。船長に治療を頼まれたときに「ごめんだね」って言うかと思ってたけど言わなかったな。


Karte:01 消えた針
写楽登場。原作を読んでない人が見たら、ピノコの言動や状況は意味がわからないだろうなぁ。たぶん後々ピノコに関わる話は出てくるのだろうが、ちょっと不親切のような気もした。かといって最初にピノコ登場の話をするのも重たいし、でもアニメとしてはピノコがいないとつなげにくいだろうし。仕方ないと言えば仕方ないのかもしれないが。
針の探索に関しては、ブラックジャックには何の責任もないのにお人よしすぎる。原作もそうだったっけ? あの状況なら、病院に多額の手術料を請求してもいいように思うのだが。あるいは、走ってきたストレッチャーにブラックジャックがぶつかり、よろめいて点滴が倒れた、なんて感じにすれば、ブラックジャックが手術する必然性もできたと思うのだが。そうなると今度は責任が重過ぎるか。
最後の「奇跡」もちょっとなぁ。いやみんなが頑張って助けようとした、ってのはいいとしても、それを「奇跡」で片付けてしまうのはいかがなものかと。原作でもそうだったっけ? 三千万払わなくてよくなってよかったね、とか思ってしまう私は俗物です。


絵としては申し分ないと思う。あまりギャグぽい演出がなかったが、ヒョウタンツギブラックジャックの頭に落ちてきてバッテンの絆創膏が貼られるところは見てみたい。

しかし、原作をよく覚えてもいないくせに、原作と比べて悪く書いてしまうのは、我ながらあまりよろしくないな。たぶん勘違いも多々あると思う。しかし今手元に漫画がないので、確かめようがないのだ。相方の実家にはあるんだけど。今度里帰りしたときに持ってきてもらおうかな。


追記。言及し忘れていたが、オープニングの曲とエンディングの曲、どうにかならなかったものか。Janne Da Arc大塚愛。よりによってなんという選択だろうか。台無し。いやそれらのバンドや歌手自体を批判するつもりはないが、ブラックジャックに使うってのはありえないだろ。オープニングなんて歌なしのインストロメンタルでも良いくらいなのに。avexが絡んでるからなんだろうな。それにしてもなぁ。

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