コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

豹変(ひょうへん)*

突然態度や言動などが変わることを表現する言葉。「君子豹変す」という諺でよく使われる。本来は良い意味で使われていたが、現在では悪い意味で使われることが多い、とある。悪い意味とは、善人に見えていた者が実は悪人で、急に残酷になったり暴力的になったりするような場合。「以前は優しかった人が結婚したとたんに豹変して暴力をふるうように・・・・・・」とかいうアレだ。例が良くないか・・・・・・。

では本来の良い意味とはなんだったのだろうか。「君子豹変す」の本来の意味は、君子は時代や状況に合わせて自分を変えていける、ということを表している。柔軟かつ冷静に物事や状況を判断し、自分の考え方にほころびがあればそれを直ちに訂正できる。君子とはそういうものである、という意味だ。逆に言えば、立派な思想や考え方を持っていても、それにばかり固執している人間は君子たりえない。

議論などをしていても、なかなか自分の考えを曲げられない人は多い。私もその一人だ。自分の考えが完全に正しいなどとは慢心していないが、こと議論などになると、考えを曲げる=負け、のような気分になってしまい、意固地になってしまう。

自分が君子になれるとは毛頭思っていないが、「君子豹変す」の考え方はいろんな場面にあって大切なことだと思う。私も豹変できるようにならねば。ただし、あまりに豹変しまくっていると、八方美人とか優柔不断、と言われてしまいそうだが。