コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

ブラックジャックとCocco

ブーゲンビリア
CMを見ていたら突然白黒のブラックジャックが現れた。見ていると、今度はCoccoが出てきた。日立のCMだった。ちょっとびっくり。そしてツボをつくキャラ登用に、日立もなかなかやるなあとちょっと感心。と同時に、ちょっと世俗っぽ過ぎてCoccoのイメージと違う、と思うところもなきにしもあらず。しかしCoccoがああいうCMに出るとはちょっと意外。しかもブラックジャックとからむとは。

Coccoは子供が生まれて引退、そして復帰したのかしてないのかよくわからない状況だが活動再開しているらしい。

Coccoと出あったのは大学生の頃だった。当時ネットでフリーペーパーなんかを作ってる東京の人と知り合い、その人からお薦め曲を集めたテープを貰った。その中に入っていたのが、まだインディーズ時代のCoccoの『春夏秋冬』という曲だった。ちょっとハードロックテイストの音と、男には絶対に書けない攻撃的な歌詞。一発で脳裏に焼きついた。
その後、東京へ出かけることがあり、でかいCDショップに行ってみたら、ちょうどCoccoのメジャーデビューの頃で、でかでかとCoccoコーナーが作ってあったのを覚えている。
実際にアルバムを聞いたのはそれからさらにしばらく後だった。レンタル屋で『ブーゲンビリア』を借りてきてMDにとり、かなりエンドレスで聞き込んでいた。

ちなみにそれをレンタルしたときに、当時まだつきあってもいなかったいまの相方に「これいいよ、聞いてみる?」と渡してみたのだが、拒否された。「歌詞がえぐい、ハードロックみたいだし」というのが理由だった。しかしその後、相方は自分でアルバム買ってしまうほどCoccoにはまっていた。

いま、その相方が買った『ブーゲンビリア』を引っ張り出して聞いている。その後にも多くのアルバムを出しているが、やはりこれが一番私の脳裏に強く焼きついている。歌詞カードを見てみる。Cocco自身どころか、人の影ひとつない、黒い歌詞カード。そして1つを残してすべて折れてしまったCD留めの爪。それがまるでCoccoの曲そのもののような印象さえ受ける。

おそらくCoccoは売れすぎたのだ。アーチストは売れることにより、ある種の自由を失う。引退をしたのは、子供のこともあるだろうが、そういうメディアでのしがらみにつかれてしまった、というのもあったのではないだろうか。そういう意味では、いまはメジャーシーンではなく、マイナーなところでちらほらと「自由に歌っている」という感じがして、これでよかったのかも、とも思う。

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